プログラミングでは、変数(データをしまう箱)や関数(特定の処理をする機能)など、さまざまなものに名前を付けます。この「名前の付け方のルール」を命名規則(めいめいきそく)と呼びます。
この命名規則を統一することは、「読みやすいコード」を作り、複数人で開発を進める上で非常に大切です。
ここでは、プログラミングやWeb制作でよく使われる代表的な4つの書き方(ケース)を紹介します。
命名規則の代表的な4つの「ケース」
キャメルケース(camelCase) 🐪
ラクダの背中のように、文字が上がったり下がったり(大文字・小文字が混ざる)するのが特徴です。
一般的に「キャメルケース」と言えば、この形(ローワーキャメルケース)を指します。
文字列の中にある大文字が「ラクダのこぶ(humps)」のように見えることから名付けられました。
- ルール:
- 最初の単語はすべて小文字で始めます。
- 2つ目以降の単語の先頭だけを大文字にします。
- 例:
paddedMinuteuserNametotalAmount
- 主な用途:
- JavaScriptやJavaなどのプログラミング言語で、変数名や関数名に使われます。
パスカルケース(PascalCase) または アッパーキャメルケース 🏢
キャメルケースと似ていますが、先頭の文字も大文字になります。
1970年代に登場したプログラミング言語「Pascal」の命名規則(各単語の最初の文字を大文字にして連結する) から名付けられました。
- ルール:
- すべての単語の先頭を大文字にします。
- 例:
PaddedMinuteUserNameTotalAmount
- 主な用途:
- JavaやC#、Reactなどの言語で、クラス名やコンポーネント名(設計図となるもの)に使われます。
スネークケース(snake_case) 🐍
単語と単語の間をアンダースコア(_)でつなぐのが特徴です。
ヘビが這っているように見えることから名付けられました。
- ルール:
- すべての単語を小文字にします。
- 単語と単語の間をアンダースコア(
_)でつなぎます。
- 例:
padded_minuteuser_nametotal_amount
- 主な用途:
- PythonやRubyなどのプログラミング言語で、変数名や関数名に使われます。
- データベースのカラム名にもよく使われます。
ケバブケース(kebab-case) 🥙
単語と単語の間をハイフン(-)でつなぐのが特徴です。
横から見ると串焼き(ケバブ)のように見えることから名付けられました。
- ルール:
- すべての単語を小文字にします。
- 単語と単語の間をハイフン(
-)でつなぎます。
- 例:
padded-minuteuser-nametotal-amount
- 主な用途:
- HTMLのクラス名やCSSのプロパティ名に使われます。
- 注意: 多くのプログラミング言語ではハイフンが「引き算」の記号として扱われるため、変数名としては使えません。
まとめ:なぜルールが必要なの?
これらのルール(ケース)は、みんなが同じ書き方をすることで、誰がコードを読んでもすぐに「これが変数だ」「これがクラスだ」と区別できるようにするために存在します。
プログラミングを始める際は、まず自分が使う言語やプロジェクトが「どのケース」を標準としているかを確認し、統一された名前の付け方を心がけましょう!
命名規則(4つのケース) 早見表
| 名称 | 形式 | 区切り文字 | 大文字/小文字のルール | 主な用途 |
| キャメルケース | wordWord | なし(結合) | 1語目小文字、2語目以降の先頭文字を大文字 | 変数名、関数名(JavaScriptなど) |
| パスカルケース | WordWord | なし(結合) | すべての単語の先頭文字を大文字 | クラス名、コンポーネント名(Java, C#など) |
| スネークケース | word_word | アンダースコア(_) | すべて小文字(大文字の場合もある) | 変数名、関数名(Pythonなど)、データベース名 |
| ケバブケース | word-word | ハイフン(-) | すべて小文字 | CSSのプロパティ名、HTMLのクラス名 |
