2025年8月、OpenAIはGPT-5の提供開始と同時に、外部サービスと直接連携できる「コネクター」機能を追加しました。
このコネクターは、単なる便利機能ではなく、MCP(Model Context Protocol)という標準化された仕組みの上に成り立っています。
この記事では、初心者でも理解できるように、まずはコネクターとMCPの関係から解説し、その後に設定方法や活用例をご紹介します。
GPT-5に「コネクター」が追加
GPT-5コネクターとは何か?
「コネクター」とは、GPT-5が外部サービス(Gmail、Google Calendar、Dropboxなど)に直接アクセスし、データを取得・操作できる機能です。
UI上ではシンプルに見えますが、内部的にはMCPクライアントとして動作しており、MCPサーバーを経由して外部サービスとやり取りします。
MCPの仕組み(ホスト・クライアント・サーバー)
MCPは「Model Context Protocol」の略で、AIモデルと外部サービスを安全かつ効率的に接続するためのプロトコルのことです。
- MCPホスト
AIアプリ(今回のGPT-5を含む)が動作する環境。クライアントを内包します。 - MCPクライアント
外部のMCPサーバーと通信する役割。GPT-5のコネクター機能がこの位置に該当します。 - MCPサーバー
APIやデータソース(例:Gmail、ファイルストレージ、検索エンジンなど)を提供する外部側のプログラム。
この関係は次のようになります。
GPT-5(MCPホスト)
↓(リクエスト)
MCPクライアント(=コネクター)
↓
MCPサーバー(外部サービス)

GPT-5コネクターの位置づけ
- UI的な役割:ユーザーが「どの外部サービスと接続するか」を簡単に選べるインターフェース
- 技術的な役割:MCPクライアントとして動作し、外部のMCPサーバーへリクエストを送信
- メリット:
- 外部サービスとの連携が高速かつ安全
- 認証済み接続なので都度APIキーを手動入力する必要がない
- プラグインのように機能を追加できる
GPT-5コネクターが追加された日時とリリースノート
- 追加日:2025年8月7日(GPT-5ローンチと同時)
- 展開順:Pro → Plus → Team/Enterprise → Free の順で段階的に提供
- 公式リリースノート:ChatGPT Release Notes – help.openai.com
GPT-5コネクターの設定方法
- ChatGPTの画面右上のプロフィールアイコンをクリック
- Settings(設定) → Connectors を開く
- 「Connect」をクリックして接続したいサービスを選択
- 認証手順を完了する
- 新規チャットで Tools → Use connectors または Deep research を選び、接続したサービスを利用可能にする
具体的な使用例
- 予定管理:Gmailから受信メールを解析して、自動でGoogle Calendarに予定を追加
- チーム業務支援:DropboxやBox内の資料を参照して、要約や分析を生成
- 開発支援(Pro限定):GitHubリポジトリのコードを検索・レビューして改善提案
他のLLMモデルとの対比
モデル/プラットフォーム | コネクター機能 | 開発者向けAPI | ユーザー普及度 |
---|---|---|---|
GPT-5 | MCPベースで豊富 | 高 | 広範に展開中 |
Claudeなど | 独自API or 限定接続 | あり | 部分的 |
GPT-4以前 | なし(プラグインのみ) | API別途設定必要 | 高だが機能制限あり |
まとめ
- GPT-5のコネクターは、UIから設定できるMCPクライアント機能で、外部サービスと直接連携可能
- MCPの構造(ホスト・クライアント・サーバー)を理解すると、拡張性や安全性の意味が分かる
- 利用例はスケジュール管理からコードレビューまで多岐にわたり、他LLMに比べて柔軟性が高い