WordPressサイトで、ログイン中は正常に表示されるのに、ログアウトすると一部のウィジェットだけ崩れる現象が発生しました。
今回の事例では、THE THORを使用しているサイトで、サイドバーの「よく読まれている記事」ウィジェットがログアウト時だけ正常に表示されませんでした。
LiteSpeed Cacheの確認用パラメータである?LSCWP_CTRL=before_optmを使って調査したところ、原因を絞り込むことができました。
この記事では、実際に起きた症状、確認方法、原因、解決方法を分かりやすく紹介します。
発生した症状
今回発生した症状は、次のようなものでした。
- WordPressにログインしている状態では正常表示される
- ログアウトすると「よく読まれている記事」ウィジェットが崩れる
- シークレットモードでも異常表示される
- 別端末・別ブラウザでも同じように崩れる
この状態から、ブラウザ側のキャッシュではなく、ログアウトユーザー向けに配信されているページ側に問題があると考えられました。
最初に疑った原因
ログイン時だけ正常で、ログアウト時だけ崩れる場合、よくある原因は次のようなものです。
- キャッシュプラグインの影響
- CSSやJavaScriptの圧縮・結合
- JavaScriptの遅延読み込み
- CDNキャッシュ
- ウィジェット用CSSの読み込み不良
- テーマと高速化設定の相性問題
今回のサイトではLiteSpeed Cacheを使用していたため、まずLiteSpeed Cacheの影響を疑いました。
「?LSCWP_CTRL=before_optm」で確認する
LiteSpeed Cacheには、最適化前の状態でページを確認するためのパラメータがあります。
ページURLの末尾に、次の文字列を追加します。
?LSCWP_CTRL=before_optm例えば、トップページで確認する場合は次のようになります。
https://example.com/?LSCWP_CTRL=before_optm参考:Troubleshooting CSS/JS Issues(LiteSpeed Documentation)
今回の確認結果
通常アクセスでは、
ログイン中 → 正常
ログアウト中 → 異常でした。ところが、
https://サイトURL/?LSCWP_CTRL=before_optmでアクセスすると、
ログアウト中 → 正常になりました。
「?LSCWP_CTRL=before_optm」で正常表示される意味
URLの後に?LSCWP_CTRL=before_optmを付けた場合、LiteSpeed Cacheによるページ最適化前の状態が表示されます。
つまり、「?LSCWP_CTRL=before_optm」で正常表示される場合、
- WordPress本体:正常
- テーマ(THE THOR):正常
- 人気記事ウィジェット:正常
- PHP処理:正常
である可能性が高いということになります。
つまり、WordPressが生成したページ最適化前の元ページには問題がないということです。
原因はLiteSpeed Cacheの最適化機能
今回の結果から、
WordPress
↓
THE THOR
↓
人気記事ウィジェット
↓
正常なHTML生成までは問題ありません。
その後の
LiteSpeed Cache
↓
CSS最適化
↓
表示崩れの段階で問題が発生しています。
最終的な原因は「UCSS」
LiteSpeed Cacheの設定を順番に確認したところ、
UCSS(Unused CSS)をOFFにしてキャッシュを削除したところ、問題が解消しました。
UCSSとは
UCSS(Unused CSS)は、「ページで使用されていないCSSを削除して高速化する機能」です。
THE THORのようなテーマでは、
- 人気記事ウィジェット
- タブ表示
- スライダー
- 遅延表示コンテンツ
などで後から適用されるCSSがあります。
この時、UCSSが必要なCSSまで、「使われていない」と誤判定すると、表示崩れが発生します。
WordPress 7.0アップデートは関係あるか?
今回の症状は、タイミング的にはWordPress 7.0アップデートが発表(2026年5月20日)され、サイト更新後に生じました。
WordPressのメジャーアップデートでは、プラグインやテーマとの互換性確認が重要とされており、特にカスタムJavaScriptやブロック関連機能を利用するプラグインは影響を受ける場合があります。
今回のケースでは、?LSCWP_CTRL=before_optmで正常表示されるため、WordPress 7.0アップデート自体が直接の原因とは考えにくい状況です。
ただし、WordPressのアップデートによってHTML構造やCSSの読み込み順が変化し、UCSSの判定結果が変わった可能性はあります。
WordPressアップデート
↓
UCSSの解析結果が変化
↓
必要なCSSを削除
↓
表示崩れという間接的な影響は考えられます。
まとめ
今回の事例では、THE THORの「よく読まれている記事」ウィジェットがログアウト時だけ崩れる原因を調査した結果、LiteSpeed Cacheの「UCSS(Unused CSS)」が必要なCSSを削除していたことが判明しました。
また、LiteSpeed Cacheの診断機能である?LSCWP_CTRL=before_optmを利用することで、
- WordPress本体の問題なのか
- テーマの問題なのか
- LiteSpeed Cacheの最適化機能なのか
を効率よく切り分けることができました。
ログイン中は正常なのに、一般閲覧者だけ表示崩れが発生している場合は、まず「?LSCWP_CTRL=before_optm」を使った確認を行うと、原因特定の近道になります。
参考リンク
- LiteSpeed Cache for WordPress 公式ドキュメント
LiteSpeed Cacheのページ最適化機能について確認できます。CSS・JS最適化、遅延読み込み、除外設定などを調べる際に参考になります。 - Troubleshooting CSS/JS Issues
CSS/JSの問題のトラブルシューティング方法の参考になります - LiteSpeed Cache|Unique CSS(UCSS)解説
UCSSが「使われていないCSSを削除する」ための機能であることを確認できます。今回のように、必要なCSSまで削除される可能性を理解する参考になります。 - QUIC.cloud|CCSSとUCSSの解説
LiteSpeed Cacheと関連するCCSS・UCSSの仕組みを理解するための参考情報です。 - WordPress 7.0 公式情報|Make WordPress Core
WordPress 7.0に関する公式情報を確認できます。メジャーアップデート後の影響を調べる際に参考になります。 - THE THOR 公式サイト
今回の事例で使用していたWordPressテーマ「THE THOR」の公式サイトです。
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